『創造する現場から』

このページは、UF協会理事の森 秀男(総合商品研究所)が担当します。 

 

2012.10

『経験価値とは?』いまファッションビジネスに求められるもの

vol.1

『創造する現場から』
『創造する現場から』

顧客がネットで商品を購入する傾向が高まっています。

店舗に行かなくても,ショッピングが出来る時代です。

ですから、

なかなか来店してもらえなくなります。

 

2012年の夏、表参道ヒルズの本館全体のテーマは

『オーシャン・ブルー OCEAN BLUE 』です。

 

涼感あふれる「海の世界」を、

8月18日まで展開していました。

 

写真は、吹き抜けの天井から、

アーティストとコラボレーションされた、

長さ10メートルの、巨大な「ザトウ・クジラ」のバルーンが

つり下げられています。

 

大階段には,海底の岩をイメージしたオブジェを設置して、

子供連れの家族や友達同士が、記念撮影できるように設計されています。

 

サウンドと照明による3分間の「深海タイム」は,約20分ごとに始まり、

深海で聞こえる泡や魚の泳ぐ音、イルカやクジラの鳴き声を聞くことが出来ます。

 

このような、毎日の暮らしとは違う、非日常的な世界を、

全身の五感で味わう体験を「経験価値」といいます。

 

いま生活者は,アパレルや服飾雑貨のようなモノの「所有価値」の他に、

今まで「体験したことのないことを経験したい」という欲求を抱いています。

 

顧客が、ますますネットで購入している現在、

ファッションビジネスは、少しでも集客を高め、

わざわざ買い物に来ていただける仕掛けや手段を取る必要があります。

 

生活者の志向やライフスタイルの変化をとらえ直して、

楽しくわくわくするような「経験価値」を提供しながら、

商品を販売する創造的な手法の時代です。