なぜシニアUD?

このページは、理事・事務局長 柳原美紗子(日本綿業振興会ファッションディレクター、ファッションジャーナリスト)が担当します。

2019.12.04

vol.12

 

国際福祉機器展 「超高齢社会を救う人にやさしいロボット」

 先般、東京ビッグサイトで開催された第46回「国際福祉機器展 H.C.R. 2019」で、信州大学発ベンチャー「アシストモーション(AssistMotion)」が出展し、同社代表の橋本 稔氏が「超高齢社会を救う人にやさしいロボット」と題して講演しました。

 橋本代表はこの春まで信州大学繊維学部の特任教授でした。国際福祉機器展では長年にわたり同大学として参加されていたのです。
 今年は大学を退官されたこともあり、2017年にご自身が創設した企業「アシストモーション」で出展されていました。

 講演内容は大きく次の二つでした。
 一つは、ウエアラブル(着る)ロボティックウェア「クララcuraraⓇWR」です。ちなみにWRは、WALKING REHABILITATION(ウォーキング・リハビリテーション)の略です。もう一つは腰サポートウェア「ハイジ heige LS」です。
 まず「クララ」は歩行をアシストするロボットで、4号機スタンダードモデルには次のような特徴があります。
 ⑴ 4kgと軽量で、動きやすい。⑵ 装着が簡単。着脱は1分程度でできて容易。⑶優しいアシスト。装着している人のリズムに合わせて歩行をアシストする。⑷ 充電一回で2時間使用可能。⑸小回りの利いた歩行ができ、街中を歩いてもそれほど違和感はない。歩幅が広がり速く歩けるようになるなど。 既に病院や介護施設などで実証実験されていて、自立支援に役立っているといいます。
 その上でこのほど新たに開発した起立アシスト制御技術が紹介されました。これまで椅子に座った状態から立つことが一苦労だったのが、この新技術ですっと立ち上れるようになるそう。デモンストレーションも行われました。立つ動作に合わせてロボットが立ち上がりやすくしてくれるといいます。

 次に「ハイジ」です。これは背面に設置されたPVCゲルアクチュエータが伸縮し、筋力をサポートしてくれるものだそう。PVCゲルアクチュエータとは、ポリ塩化ビニル(PVC)を可塑剤によりゲル化した高分子素材で、電圧を印加すると陽極の表面に沿って変形する特異な性質を持っているといいます。この電気応答性を利用して、実現されたのが生体筋肉のように伸縮駆動する世界初の“人工筋肉”なのです。やわらかくて軽量、透明、しかも比較的安価で、国際会議のデモセッションでは最優秀賞を獲得するなど、今大いに注目されているといいます。

 試作機では円筒の中に約2kgのアクチュエータが入っていて、クララの起立アシストもこの筋肉の働きでふんわりと浮くように立ち上がることかできたとか。とくに挙上動作が楽になるそうで、重さ10 kgもの箱を持ち上げる実演も実施されました。写真はそのときの様子を撮ったものです。 試着されてスイッチが入った途端、引っ張り力が働いて、軽く持ち上げることができたそう。腰への負担が軽くなる効果を実感したとのお話しでした。
 これは今後、介護現場や農作業、建設、運輸など、あらゆる作業シーンで腰の負担を軽減するサポートウェアとして使われることになりそうです。

 最後に、これらをどう事業化していくか、抱負を語られていたのでご紹介します。
 「クララ」は2020年の量産化を目指していて、これに先駆け、有償モニタ貸出しをするとのことです。初期費用12万円、月額8万円で、最低でも3ヶ月間使用した感想をフィードバックしていただき、さらなる改良につなげていくそう。このお試し価格で、“着るロボット”をぜひ体感して欲しいといいます。
 「ハイジ」は2021年を目標に製品化に向けて邁進していくとのことでした。
 
 我が国ではロコモ(運動器症候群)は、“国民病”とまで言われています。変形性関節症と骨粗鬆症に限っても、推計患者数は10年前の統計で4700万人だったそうですから、現在はもっと増えていると思われます。 私もいつか歩けなくなります。でも「クララ」や「ハイジ」で希望を見出せそう。最期まで自立して生きていくために、ウエアラブルロボティックウェアはなくてはならないものになってくるでしょう。早く普及して多くの人々が救われる社会になることを願ってやみません。 
 このことにご尽力されているアシストモーションの橋本代表に改めて敬意を表します。

2019.9.28

vol.11

 

ファッションビジネス学会「0704=おなおし」を考察する講演会

 今夏、ファッションビジネス学会で「FORUM 0704 2019」が文化学園にて開催された。これは7月4日を「0704=おなおし」の日として考察する講演会である。

 トップは日本エシカル推進協議会 理事 薄羽 美江 氏で、テーマは「SDGsを自分ごとにする JEI-SDGs Surveyでエシカル・セルフブランディング」。まずはSDGs(持続可能な開発目標)から。2030年の世界目標「誰も取り残さない/置き去りにしない」を目指し、よりよい未来を実現するための17のゴールズを解説。VUCA「Volatility(激動)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(不透明性)」)社会の到来で、予測不可能な時代となった今、日本が提唱するソサエティー5.0は、これまでソサエティー4.0と呼んでいた情報社会に替わる創造社会であり、SDGsに貢献する未来社会の成長モデルと力説した。
 次に参加型で「SDGs online Survey」を実施。一人ひとりスマホを取り出して、SDGs度を自己診断した。日本のSDGs度は昨年の達成度ランキングによると156カ国中15位で、北欧諸国などに比べると低い。エシカル消費の認知度は今一で、ラーニングとプロモーションによる支持と行動の促進が必要という。市民のボイコットならぬ「バイコット(Buy-cot)」による市場形成や、ESD(持続可能開発教育)が求められていると強調した。

 2番手は「日本の伝統柄を襖紙にして世界に」と題して登壇した夏水組代表 坂田 夏水氏と大場紙工 大場 匠真 氏。大場氏は、襖紙を壁紙のように使うことを思いつき、坂田氏と協働して、日本の伝統柄を用いた意匠のオリジナル襖紙ブランド「夏水組」をプロデュース。「メゾン・エ・オブジェ・パリ」にも出展し、国内外から注目を集めているという。

 最後は、朝日新聞記者 藤田 さつき 氏とPOSSEの岩橋 誠 氏による「衣服の大量廃棄は労働問題と繋がっているのか」をテーマにした対談。SDGsの17目標の中で、12の「つくる責任、つかう責任」、8の「働きがいも経済成長も」に注目し、環境問題は労働問題でもあると結論づけたことが印象的だった。藤田 氏は「大切なのは知ること、知った上で行動すること」。岩橋 氏は「それが本当にエシカルでサステナブルなのか、チェックする取り組みが重要」などとコメントして、フォーラムを締め括った。

2019.9.18

vol.10

 

ギフトショー ライフ×デザイン展ダイバーシティプロダクツ

 この3~6日、東京ビッグサイトで開催されたギフトショー東京2019秋で、併催された「ライフ×デザイン展」を見て来ました。新企画がいろいろある中で、とくに興味深かったのが特別展示イベント「ダイバーシティ プロダクツ」エリアです。
 2020年東京オリンピック・パラリンピックを控え「多様性」、つまり「ダイバーシティ」という言葉がより身近なものになってきたことを受けて、このエリアが新設されたといいます。
 ここでは様々なマイノリティに合わせた製品の展示が行われていました。
例えば目に障がいを持っている方でも利用できる腕時計や、口当たりのやさしい介助に適したスプーン、など---。

 右は、結ばなくてもいい靴紐の「クールノット」です。COOLKNOT JAPANの製品で、伸縮性があるので靴のフィット感が高まり、脱ぎ履きが楽、というメリットがあります。 結ばなくてもいい、結ばないからほどけないという逆転の発想から生まれたといいます。

 右は、超簡単で軽くて優しい車いす用の着物セットです。リノーズの「えもん(EMON)」というブランドのもの。
 2部式で下衣のスカート部に特定の構成パターンを採用しているので、座ったままで楽に着られ、着崩れ防止性も高く、着用者の着心地もよいといいます。
 開発されたのは東京・渋谷のパターン企画テルヌマ代表の照沼範子さん。パタンナー歴42年のベテランです。
 本格的な着物スタイルを誰でも一人で簡単に着られる着物として再現されました。3ステップ、たった3分で着付け完了、洋服感覚で手軽に着られるといいます。
 とくに最近は喪の着物の需要が増えているとのことでした。

 これまで着付けが困難で着物を着るのをあきらめていた方も、これなら着物スタイルを楽しめます。これもまた「ユニバーサルファッション」と思いました。

2019.9.4

vol.9

 

セミナー「パナソニックのユニバーサルデザインの取組み」

先日、ユニバーサルファッション協会の定例会、カラート71プロジェクトでユニバーサルデザイン(UD)の家電に関するセミナーが開催されました。テーマは「パナソニックのユニバーサルデザイン第一人者 中尾洋子さんに聞く ― 誰もがいきいきと暮らせる社会を目指す最先端のユニバーサルデザイン」です。
 創業以来「UDは我社のDNA」と宣言するパナソニックは、UDのリーディングカンパニーとして自他ともに認められる存在です。今年も国際ユニヴァーサルデザイン協議会(IAUD)国際デザイン賞金賞を二部門で受賞しました。医療福祉部門の「歩行トレーニングロボット」と、住宅設備部門で高齢者でも安全に利用できる「スマイル浴槽」です。
中尾洋子さんはこのパナソニックで2005年からUDを担当、全社UD推進担当 主幹として商品開発から広報活動まで様々なかたちでUDに関与されています。
 本セミナーでは、実際に開発に携わられた幅広い事業領域の商品やサービスを例に、UD を実現する様々な取り組みを語られました。その要点をピックアップしてみましょう。
 最初の話題は「“様々な人が使い、暮らしの中で人の近くにある家電”だから考えてきたこと」です。家電は生活必需品ということもあり、想定していない人の安全性も考える必要があるといいます。例えば洗濯機ですが、「ななめドラム式」が車いすユーザーにも使いやすいと、好評を得ているとのことです。
 次に「大切に思っているのは想像力と創造力」というお話に移ります。障がいを持っている方には想像力を働かせて、「何かお手伝いしましょうか」と声をかけるなど、選択肢を提供していくことが大切といいます。ここでのキーワードはまさにこの「選択肢」です。商品開発にあたっては、多様な選択肢に配慮した視点が欠かせないと強調します。環境や製品が対応していれば、障がいは顕在化しないのです。 
 例えば目の見えない方もTVや照明を使われているのですね。視覚障がい者の方は日常的に家電を使用されている、その例としてTVがあります。TVは情報の入手になくてはならないものになっているといいます。音声による美術館鑑賞ガイドも必須のサービスになっている様子です。また視覚障がいといっても全く光を感じていないという訳ではないので、防犯のためにも照明は必要といいます。

 右は肢体不自由者のために開発したというライトです。
 手の甲や肘でも押して使え、電池はどのタイプのものでも対応可能という大変便利な照明器具です。

 ここからは具体的な取組み事例を、実物とともに次々に紹介されました。

 まずは世界初のUDフォントの開発とその具体的活用例から、白内障疑似体験ゴーグルの開発、家電では手・指以外でも操作できる「レッツリモコン」(右)など。

 とくに高齢者を見つめた家電にも力を入れているとのことで、 重さ2.0kgの超軽量掃除機(右)や、さらに軽い750gのハンディスティック掃除機も見せていただきました。

 暗い道で安全・安心を高めるネックライト(右)は、子どもだけではなく大人にも「あったらいいな」と思うライトです。

 先進技術についても触れられ、空港での顔認証ゲートを始め、人の身体や心の状態をセンシングする様々なテクノロジー、ロボットも上記に記したIAUDアワード受賞の「歩行トレーニングロボット」や、重い荷物を持って見える位置でついてきてくれる運び屋さん「ポーターロボット」など。
 最後に、目指す社会は、「誰もが社会参加できることで、いきいきと暮らせる社会、コミュニケーションを誘発して人と人との繋がりが生まれる社会」と明言。「UDとは人や社会を想いやる創造力」の言葉で締めくくりました。

2016.10.8

vol.8

 

JFW-IFF
ヒッププロテクターで楽しくお散歩


 今期JFW-IFFに出展した株式会社アイエムユーは、新シニアブランド「遊子」(昨日の記事参照)と同時に、ヒッププロテクター・ブランド「サンポーチ (SUN-POCHE)」も発表しています。

 

 ヒッププロテクターは一般に転倒したときに、文字通りヒップを守るプロテクターです。とはいえこのサンポーチはヒップ=腰というよりは、腰の骨を守ります。骨に加わる衝撃を吸収するパッドが取り付けられるようになっていて、しかもファッション性も配慮されています。福祉衣料でもありませんし、これまで見たことのないようなブランド、と思いました。

 

 高齢者にとって昨今大きな問題となっているのが「大腿骨頸部骨折」です。骨折すると長期間歩行困難になり、外に出る気力や体力が衰えてしまうケースがよくあるといいます。しかしたとえ転んでも、少しでも衝撃を和らげてくれるものがあれば、安心して外出できます。同ブランドは、「楽しくお散歩したい」、そんな要望に応えて開発されたといいます。

 

   ヒッププロテクターは手のひら大の円形です。衝撃吸収性に優れ、軽くて、簡単に水洗いできる材料が使われています。

サンポーチのアイテムはすべてこのパッドが入るポケット付きです。下着のパンツからベルトタイプのもの、 またスカートやパンツ、さらにはアウタージャケットやロングベストまで、内側の腰骨の当たる部分にポケットが付いています。パッドは取り外し自在です。


 まさに「楽しくお散歩 サンポーチ」。骨粗鬆症などで散歩やジョギングが不安という方も、これをつければ活発に活動したくなってくるかもしれません。
 価格はベルトタイプで約1万円、アウターパンツで1万3千円くらいからとか。発売は「遊子」と同様、来年中とのことでした。

2016.10.7

vol.7

 

JFW-IFF
アイエムユーの新シニアブランド「遊子」

 

 ユニバーサルファッションを展開する株式会社アイエムユーが、先月26-28日、東京ビッグサイトで開催されたJFW-IFFインターナショナルファッションフェア(繊研新聞社主催)に出展し、75歳以上の女性向けファッションブランド「YUUSHI~遊子~」を発表しました。

この新ブランドの「遊子」は、旅人の意味です。旅でもしているようなイメージで、楽しい興味や変化を求める洗練されたマダムに向けて提案したといいます。コレクションは、そうしたシニアの女性たちに協力を依頼し、ボディから開発したとのこと。
 ブース前面に、75歳の女性の平均体型でつくったという工業用ボディを展示していました。これは現代のシニア女性が美しく見えるように進化させた、新バージョンのボディです。
 従来のボディではウエストが太め過ぎだったり、バスト位置が下がり過ぎていたり、背中の丸みが曲がり過ぎだったり----、難点がたくさんあったのを改良したといいます。
 スタッフたちが以前からあたためていた企画です。「とうとうできあがった!」と、私もうれしい気持ちになりました。

 

 スタイリングは小粋でエレガント、目に見えないディテール部分では、誰にでも着やすくて着心地のよい機能が採り入れられています。たとえば着脱しやすいように、コートやトップスは袖通しが楽にできる広めのアームホール、1.5cm以上の大きいボタンや斜めボタンホール、パンツは脚の内側にコンシールファスナー付き、ニットウエアは滑りをよくする工夫など。


 素材にもこだわり、春夏ものということで清涼感があってしかも上品、レースや刺繍など夢のある質感も程よく選ばれていました。「発売は?」と伺いましたら、来年中とのことでした。どのように展開されていくのか、楽しみです。

2016.10.5

vol.6

 

落合恵子さん講演会

「質問 老いることはいやですか?」

 

 先月末、カラート71プロジェクトで、「質問 老いることはいやですか?-作家 落合恵子さんと考えるファッションのこれから-」と題した講演会が開催されました。

 

 カラート71プロジェクトは、NPO法人ユニバーサルファッション協会、大学、研究機関の他、企業家、ジャーナリストなどファッション業界内外で活躍している方々を企画・運営委員に迎え、(株)ニューロビングループの支援を受けて発足したものです。


5回目となる今回のスピーカーは、作家でクレヨンハウス代表の落合恵子さん。71歳を迎え、この春、エッセイ集「質問 老いることはいやですか?」(朝日新聞出版)を出版され、またファッションブランド「Ms. crayonhouse(ミズ・クレヨンハウス)」もデビューさせました。「着たい服がなかった。でもオーダーなんて面倒、それに高価。それなら自分でつくるしかない。」と、初めて服をデザインしたのだそうです。
本講演では、同ブランドの黒いプルオーバーとロングスカートのコーデで登場。足元はスニーカーです。


 プルオーバーはボタンもファスナーもない、着脱しやすいかぶり型。裾のラインを大胆にななめにカットすることで、すっきりとたて長のラインが強調され、長い側には動きやすいようにスリットが入っています。パターンはミリ単位で考案し、何度も試着して着心地を確認したといいます。


 素材はアバンティとの協働によるテキサス・オーガニックコットン100%の伸縮性のある繊細なジャージーです。世界中にオーガニックコットン畑を広めたいと熱っぽく語られていたのが印象的でした。この詳細についてはクレヨンハウス発行の雑誌「いいね」をご覧ください、とのことです。


 さて本題の「質問 老いることはいやですか?」では、冒頭、メイ・サートン著「独り居の日記」の中の一節、「私から年齢を奪わないでください。働いて、ようやく手に入れたのですから」を紹介。またアメリカの女性人権活動家、デア・ロバックさんの言葉、「私のシワは、私の人生の成長の証です。---ツルンとした顔に戻りたいとは思いません」を引用し、「シワとシミとシラガは、女性が年を重ねることの表面的な変化に過ぎません。無理に若々しくあらねばならない、とは考えていないのです」と、エイジングを肯定されました。髪も敢えて染めない自然流の落合さん。本当に自然体な生き方をされている、と共感しました。

 

 この日はたまたま台風が襲来した悪天候でした。帰途を考え早めの終了となり、少し残念でしたけれど、またの機会を楽しみにしています。

2015.8.19

vol.5


「60歳からの起業の教科書」出版記念講演会


「一流社員じゃなかった。だから今がある。銀行も驚く急成長は、失敗だらけのサラリーマン人生があったから。」のキャッチコピーに惹かれます。これは「アイ・エム・ユー」代表取締役社長で、ユニバーサルファッション協会理事長の岡田たけ志氏の著書「60歳からの起業の教科書」(ATパブリケーション 1400円+税)にある帯言葉です。驕らない自然体なお人柄が表れています。

先月末、ユニバーサルファッション協会主催で、この本の出版記念講演会が、東京・台東デザイナーズビレッジで開催されました。


 講演では、まずガモコレ(巣鴨コレクション)の映像が紹介されました。この元気なおばあさんたちのファッションショーに、同社のブランド「大人の美モード」が協力しているのです。

 この後、同氏が64歳で起業するまでの軌跡が語られました。この中で興味深かったのが、「定年起業」を成功させるポイントです。


⑴資金力については、創業支援窓口へ相談することなどをアドバイス。
⑵プレゼンテーション能力は、「なぜ、なぜ、なぜ」で理論力をみがくこと。「こうなんです」と断言する、ぶれないことが大切といいます。
⑶数字力は、在職中からトレーニングしておくこと。
⑷ 女性活用では、女性中心の組織作りをすること。「女性に、とにかく任せる」、「叱らない、褒めない」のキーワードは、私も同じ女性として、「その通り」と実感します。
 この他、「パートナーを大事にすること」や、「起業には2番手が向いている」など、幅広い実体験からにじみ出たお話をされ、心が揺さぶられる思いでした。


 最後に触れられたのが、「社会貢献」です。ファッションは人を笑顔にし、人を輝かせると、ファッションの力を力説されました。同社は、毎年高齢者施設でファッションショーを行っています。このようなボランティア活動を通じて、人と人をつなぐ媒体となっていくと述べられました。
 これまで高齢者向けファッション商品というと、地味なデザインばかりでした。実は現在でも相変わらずそう思われているふしがあります。しかしファッションは常に美を追求するものです。この高齢者向けという先入観を打壊すために、同社では積極的に若手デザイナーを起用し、明るく若いセンスを採り入れているといいます。


 岡田氏は、「役職定年」を迎えられたとき、「自分にはやり残しがある」、それは「ユニバーサルファッション」の普及だ、との信念で、会社を起ち上げられたそうです。この「アイ・エム・ユー」は、わずか3年で年商20億を達成し、2018年には株式上場を目指しているとのこと。本当にすばらしいと、感銘いたしました。


 定年後をどう生きるか、そのヒントがいっぱいに詰まった講演会でした。


2015.8.7

vol.4

JFW-IFF

「大人のための美モード」 存在感光る

 

いつでも、どこでも、誰でもがファッションを楽しめる人のための美モード (Be Mode)」が、この22〜24日、東京ビッグサイトで開催されたJFW-IFFインターナショナル・ファッション・フェアに出展。ナチュラルライフスタイル・エリアで一際光る存在感を放っていました。
 ファッションは似合わないからダメと思っていた女性も、ここに来ると自分にも着こせそう、と思える服が並んでいたからでしょう。ブースでは足を止めて見る来場者への応対に、担当者が追われている様子でした。
 ビデオも人気で、同ブランドが協力するガモコレ(巣鴨コレクション)の映像を放映したことが効果的だったようです。ファッションを生き生きと楽しむシニア女性たちの姿を、興味深く見つめる人たちが数多く見られました。
 私も、偶然居合わせた知り合いに、これは誰が企画しているのかなどと問われ、このようなファッションイベントへの関心の高まりを改めて感じました。

 ブース展示は、手前正面にキャシー中島のカラフルな「マカナナキャシー Makana na Cathy」、左手後ろに、新ブランドのアンミカの「アネラリュクス ANELA LUX」、右手にヒロミヨシダの「デイトゥーデイ day to day」の新作コレクションを配して、マネキンを使ってショーイング。いずれもシルエットが美しくエレガントで、着やせして見えそうなものばかりです。
   あらゆる人が笑顔でいられるように、という同ブランドのユニバーサルファッションへの思いが、素直に伝わってくるステキな提案でした。

 

2014.8.18

なぜシニアUD?

vol.3

ユニバーサルファッションを提案する「大人のBEモード」

 ユニバーサルファッションを提案する「大人のBEモード」が、先般、JFW-IFFと同時開催されたFBSファッションビジネスソリューションフェアに初出展。

これは、テレビショッピングでユニバーサルファッション商品を展開するアイエムユーが取り扱うブランドコレクションで、吉田ヒロミによるデイ・トゥ・デイDAY TO DAYや、花井幸子監修のプロシューマーPROSUMER、仁科亜季子のニシナ・バイ・アキコNishina by Akikoなど、錚々たるブランドが勢揃いしていました。

 

  今回は、とくに「羽織る」に焦点を当て、カーディガンのコーディネイトを中心に、着やすく着心地のよいデザインを訴求。

また軽量かつストレッチ性のある素材や スイスの超長繊維綿使いによるシャリ感、高接触冷感が特長のアイスコットン製品など、ユニバーサルデザインの機能素材にこだわったアイテムが紹介されました。

 

 ユニバーサルファッションは、機能美だけではない、洗練された大人の女性のためのクオリティの高い商品であることを印象付けることに成功していたと思います。

 

 これに併せて、ユニバーサルファッション協会主催「ユニバーサルファッションフェスタ」(102122日 東京・六本木ハリウッドビューティー専門学校にて開催) の予告展示も行われ、バイヤーの関心を集めていました。